北京-上海間の宅配貨物専用列車が今月初め、正式に開通した。同じ日には北京-広州間でも同様の専用列車が開通。これらに加え、将来的には長江デルタ、珠江デルタ、環渤海、中西部地域をカバーする宅配貨物鉄道輸送ネットワークが構築される見込みだ。業界では、鉄道貨物輸送改革で輸送リソースが市場化されたことにより、低コストで高効率の鉄道速達列車が今後、宅配会社の間で争奪戦を引き起こすと予測されている。
◆低コストで高効率
北京-上海間の専用列車の第1便は今月1日午前8時50分に上海市の(貨物駅である)閔行駅を出発し、18時間後の2日午前2時50分に北京市にある黄村駅に到着。総距離1427キロを通常の貨物列車より40~60キロ速い時速120キロで走行した。
車両編制は16両で、1両当たり1万個強の宅配貨物を積載。内訳は順豊速運の貨物が15両、京東商城が1両分を占めていた。
また同日には、申通快逓が北京-広州間の宅配貨物専用列車を正式に開通させた。同社はこれにより、北京-珠江デルタ間の直通特急宅配業をスタートさせる予定で、両地域の消費者は発送から21時間以内に荷物を受け取ることができるようになる。
これに先立つ7月1日に、中国宅配協会と中国鉄路総公司の協力で開通した上海-深セン間の宅配貨物専用列車は、現在6編成が運行しているが、将来的には長江デルタや珠江デルタ、環渤海、西部地域をカバーする宅配貨物鉄道輸送ネットワークの一部となる見込みだ。
業界関係者によると、宅配会社は鉄道輸送最低コストとして貨物1キロ当たり0.3元(約5円)を支払っている。車両1両当たり積載重量を22トンとして計算すると、中国鉄路総公司が得る収入は1両当たり約6600元。15両編制の場合、片道で約10万元の収入になる。