インドで外国からの患者を受け入れる医療ツーリズムが拡大している。同国のPHD(北部パンジャブ州・ハリヤナ州・デリー)商工会議所と地場市場調査会社RNCOSの調査報告によると、同国の医療ツーリズム市場規模は2014年から18年にかけて、年平均20%増で成長し、現在の30億ドル(約3077億円)から、18年には60億ドルに膨らむ見通しだ。現地紙ビジネス・スタンダードなどが報じた。
市場拡大の背景には、同国の民間病院には優秀な医師や最先端の医療機器がそろっていることに加え、米国や欧州などと比べて、高度な医療を低価格で受診できることなどがあげられる。
健康診断をはじめ、心臓疾患や整形外科、眼科、歯科などを受診する外国人患者が多いという。
また、同国政府も医療ツーリズムを推進する姿勢だ。観光省は外国人患者の受け入れ拡大を図るため、税制優遇措置を講じる方針を示している。現在、同国を訪れる外国人患者数は年間23万人で、18年には40万人の誘致を目指す。
一方、今後の課題として、調査報告では医療ツーリズムに関する情報提供サービスの整備を指摘する。加えて、外国人患者はインターネットを通じて病院を検索していることから、同国政府に対し、国内の病院施設や医師の詳細をはじめ、旅行を手配する代理店などを含む医療ツーリズム関連情報を集約したウェブサイトの構築が必要との見方を示している。(ニューデリー支局)