2014.4.28 12:00
上海の中国人向け月刊誌「行楽」4月号。日本各地の桜の名所が特集された【拡大】
同誌は上海や北京など都市部に暮らし、比較的収入が高い20代から40代が読者の中心で、袁さんによると、読者の70~80%は訪日観光のリピーター。団体観光では行かない場所や、伝統文化や美しい自然、おいしい料理や和菓子など、中国ではまだ知られていない日本の魅力を伝えている。袁さんも取材など出張を含めて訪日観光のリピーターだが、「何といっても親切で温かい日本人との心のふれあいが日本の魅力だ」と話す。
より現実的な要因は「円安元高」と中国国内の消費税率の高さだ。対ドルで円安基調が続く一方、人民元は最高値更新が続き、13年12月に1元=約14.5円だった元の対円レートは14年12月には約17.5円と1年間で約20%も上昇。現在も約16.5円前後の水準を保つ。中国人からみて、日本での買い物は為替のマジックで割安感がある。
しかも中国では品目によって10~30%の消費税が内税で徴収されるため、日本での買い物は税率で有利な上、免税扱いの買い物も多い。中国の銀行が発行した「銀聯(ぎんれん)カード」で決済が可能な日本の商店やホテルなどが増えた。多額の日本円を持たなくても、中国国内の銀行口座にある人民元で決済が可能だ。