--新三原則には、海洋進出を進める中国封じ込めの狙いもあります
新原則により、中国との間に領有権問題を抱えるベトナムやフィリピンなどに対する巡視艇などの輸出も期待されています。これは、中国包囲網の形成とともに、シーレーン(海上交通路)の安全確保にもつながります。
折しも、日本にとってシーレーン防衛の生命線である台湾では、学生たちが立法院(国会)を占拠。中国との「サービス貿易協定」の撤回を求め、大規模デモを行いました。この背景には、経済的な結びつきの先に、中国による台湾併合が待ち受けているのではないかとの危機意識があります。
台湾が中国海軍に対抗するにあたっては、日本の潜水艦技術などを米国経由で供与すべきだとの意見もありますが、これは傾聴に値します。
今回の新三原則決定については、早速、中韓が警戒感を示しているようですが、日本の防衛産業強化は国内の経済成長、雇用の創出に資するのみならず、横暴極まる中国の牽制(けんせい)をはじめ、世界の平和と安全にも貢献するものなのです。