消費税率が5%から8%へ引き上げられる4月を前に、政府は一般流通向けの一円玉の製造を約4年ぶりに再開した。税率8%の方が、現在の5%よりも釣り銭などで一円玉の出番が増えると見込まれるためだ。民間企業も「一円玉対策」へ動き出しており、釣り銭不足に備える小売りのほか、電子マネー運営会社のように販促を活発化させる業界も出ている。
389億枚の流通量
「釣り銭用の一円玉のストックが必要になる」。100円ショップを展開するキャンドゥの担当者は、新たな“備え”の必要性を強調する。
現在、同社の100円ショップで販売される商品の税込み価格は原則105円。このため一円玉は「来店客から受け取ることはあっても、こちらから手渡すことはまずない」(広報)存在だった。しかし4月以降は、各店舗で必要最低限の在庫を確保する方針という。
貨幣は財務省が毎年度の流通量を予測して製造計画を作成。これに基づき、独立行政法人の造幣局が製造する。