そして、この政策はうまく機能しているといえる。なぜならば、テーパリング実施以降も米国の株価は下落せず、最高値を更新し続けた。
また、欧米などの金融機関が、安全な投資先として日本を選好しているのも、世界の資金の流れの大きなトレンド。昨年の外国人による日本株の買い越し額は15兆1196億円と過去最高を記録した。アベノミクスによる日本経済の成長に、外国人の期待は大きい。
それに対して、日本人は毎月日本株を2兆円近く売り越し続けている。株式市場が過去最高のパフォーマンスをあげる中で、日本人が売り、外国人が買うという構図となっているのだ。これは非常に嘆かわしいと言わざるを得ない。
外国人が信じる日本の成長や発展に日本人が懐疑的-。これが今の日本の状況であり、それが如実に株価と資金動向に現れている格好だ。日本人のメンタリティーがこのような状況では、良くなるものも良くなるわけがない。
これが変化したときが日本の失われた20年が終わるときなのかもしれない。(経済評論家 渡辺哲也)