GDP目標定めず適度な「安定」と「改革」 来年、経済成長一辺倒から転換 (1/2ページ)

2013.12.24 05:00

不動産価格が再び急騰するなど、中国の新指導部は難しいかじ取りを迫られている(中国新聞社)

不動産価格が再び急騰するなど、中国の新指導部は難しいかじ取りを迫られている(中国新聞社)【拡大】

 2014年の経済政策の基本方針を決める中央経済工作会議が今月13日、4日間の日程を終え、閉幕した。習近平国家主席や李克強首相の発言から見えてきたのは「穏中求進(安定の中で前進を図る)」を基調とし、改革の刷新を目標実現のための重要な手段とする国民生活重視の政策方針だ。

 来年の経済成長目標として掲げられたのは、単なる国内総生産(GDP)の数値ではなく「成長の質と効率の向上」と「後遺症を残さない速度での成長」だ。明確な成長目標を定めず、適度な「安定」と「改革」を維持することを重視、従来の成長一辺倒の政策から方向転換が図られた。

 昨年同様、「積極的な財政政策」と「穏健な金融政策」が提起された今次会議。マクロ経済政策は継続性と安定性に重点が置かれ、主要な経済活動から外された。

 ◆金融政策も見直し

 また、金融政策も融資規模の拡大や融資コストの削減といった直接的な政策ではなく、金利の自由化や人民元改革の推進といった枠組みの改革に重点が置かれている。これは今後、マクロ経済政策による経済活動への介入が減少していくことを示唆している。

 また長年の課題であり、これまで大きな進展が見られなかった産業構造調整も主導権は政府から市場に委ねられる方向だ。政府が行うのは環境保護や安全性の基準といった枠組み固め。実際の産業構造調整は市場競争によって進められる。

 政府との利害関係などがからみ、これまで産業構造調整は遅々として進まなかったが、市場主導であればそうした問題もある程度解消できるだろう。

 また、昨年は内需拡大の原動力になるとして、主要経済活動の一つに組み込まれた「都市化推進」が、今回対象外となったことも、政府による市場介入が後退している証拠だろう。

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