黒田総裁は来年4月の消費税増税の影響に言及。9月末に購入すれば現行税率が適用されることになる注文住宅の駆け込み需要について、「1997年の増税時に比べて大きな駆け込みと反動減がみられなかった」と指摘。増税にともなう影響はそれほど深刻化しない可能性を示唆した。
食料品などの非耐久消費財は駆け込み購入が増税直前に出るため、「来年3月の段階で、駆け込み需要と反動減を注意深く点検する」(黒田総裁)という。
また、今後も景気回復が続く条件の一つとして賃金を挙げた。10月の毎月勤労統計では、所定内給与が0.4%減と17カ月連続で減少している。黒田総裁は「特に(基本給に相当する)所定内給与が重要だ。来春闘でのベア(ベースアップ)の動きを注視したい」と話した。
政府・日銀が悲願とするデフレ脱却策は想定通りに進んでいるが、黒田総裁は「日本経済をめぐる不確実性は引き続き大きい」として、「来年も緩和策をしっかり実行したい」と強調した。