東京市場の円安・株高の今後の動きについて、市場関係者の見方は分かれている。株価については、企業業績や緩和政策の継続などを背景に高水準が続くとの見方もある一方で、株価のマイナス材料とみられているのが、年末に予定されている証券優遇税制の打ち切りだ。
株式の配当や譲渡益などにかかる所得・住民税は、個人金融資産を株式市場に誘導する狙いで2003年から10%の優遇税率が適用されてきたが、来年1月からは11年ぶりに本来の20%に戻る。このため、約1年前からの株価上昇で含み益が出た株式の売却に踏み切る個人投資家が年末にかけ急増する可能性があり、動向と影響が注目されている。
SMBC日興証券は5月、優遇税制廃止に向けた対策をまとめた個人投資家向けの資料の配付を始めた。植村繁ソリューション企画部次長は「(優遇税制に関する)相談件数は足元で増えており、10~12月には7~9月の4倍程度になる」とみる。