さらに、独立した社外取締役を2人以上選任している会社や国際会計基準のIFRSを採用したり、採用を決めた会社、決算情報を英文で開示している会社についてはスコアが「加点」される。
社外取締役は、現在進められている会社法の改正議論で「1人以上の義務付け」が決まりかけたが、一部の経済団体の反対で頓挫(とんざ)。IFRSの義務付けも民主党政権時代に反故(ほご)にされ実現していない。加点の影響度は小さいとはいえ、400社選定の当落線上ではこれが意味をもつ。しかも毎年6月末に銘柄の入れ替えが行われることが決まっている。
まだ指数の算出は始まっていないが、400社が公表されただけで、大企業経営者には大きなショックを与えている。日経平均に採用されていた企業で「落選」するところが相次いだからだ。赤字が続いたシャープやパナソニックが落選するのは致し方ないとして、東京電力やオリンパス、大日本印刷、大和証券グループ本社なども選定から漏れた。住友化学が落ちたのは経団連会長会社としてメンツ丸つぶれだろう。
これから毎年6月の入れ替えを目がけて、企業はROEや利益額の向上に必死になりそうだ。加点がもらえるならと、社外取締役の導入やIFRS採用に動く企業も増えるだろう。
実際に指数算出が始まれば、他の指数と違ってユニークな算出方法をとっているだけに、さらに関心が高まりそうだ。企業経営者にとって無視できない存在になる可能性が大きい。(ジャーナリスト 磯山友幸)