経済対策「企業優遇」に重点 内部留保280兆円、賃金に反映期待 (1/2ページ)

2013.10.2 06:00

政府与党政策懇談会で消費税率引き上げを表明した安倍晋三首相(左)=1日午後、首相官邸

政府与党政策懇談会で消費税率引き上げを表明した安倍晋三首相(左)=1日午後、首相官邸【拡大】

 安倍晋三政権が消費税率引き上げと同時に打ち出した経済対策は「企業優遇」に重点が置かれた。企業がため込んだ280兆円にのぼる内部留保を吐き出させ、賃金と雇用の増加が消費拡大を生む好循環につなげるには、企業の活性化が欠かせないと判断したためだ。

 「日本経済を再び成長軌道に早期に回復することが可能と考える」。安倍首相は消費税率の引き上げを決めた1日の政府与党政策懇談会でこう述べた。政府は、今後3年間で設備投資額を現在から1割増やして70兆円規模に回復させるとの青写真を描いており、実現に向けた柱となるのが投資減税だ。

 今年度実施分を含めると、国と地方を合わせ7300億円の減税策を準備。生産性の高い設備の購入企業に対する税制優遇制度拡充のほか、事業再編を促す税制などを導入する。

 ただ、大企業を中心に海外での現地生産が拡大する中、「減税だけで国内投資を増やすのは容易ではない」(野田毅自民党税制調査会長)。政府は、一定の耐震性や省エネ性を満たさない企業に罰則を設けて投資を促す規制強化策の導入を2014年度税制改正で検討する。

 同時に政府が力を入れるのが、企業に賃上げを促す仕組みだ。経済財政諮問会議の試算では、消費税率が8%に上がると、家計は約6兆円の負担増になる。景気の冷え込みを防ぐため、政府は減税で企業の賃上げの背中を押す制度を拡充する。給与支給総額を12年度に比べて2~5%増やした企業に対し、増加分の1割を法人税から割り引く仕組みへと充実させた。

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