もちろん、シリアに対する軍事行動の必要性を述べてはいます。しかし、世界の秩序形成・維持のために、従来、米国が担ってきた役割を否定するかのような発言は、オバマ大統領の本音の表れとも言えるでしょう。というのも、2008年の大統領選翌日の時点ですでに、オバマ大統領が潜在意識下で、国内問題を優先するために世界の警察としての役割を放棄したがっていることは明らかになっていたのです。(大川隆法著『バラク・オバマのスピリチュアル・メッセージ 再選大統領は世界に平和をもたらすか』参照。幸福実現党刊)
いずれにせよ、シリアへの軍事介入を決断したものの議会の承認の見通しが立たず、外交交渉を優先させるに至ったことでオバマ大統領の指導力の欠如が白日の下にさらされ、今回の発言で米国の威信低下は決定的なものとなったと言ってよいのではないでしょうか。
--翌9月11日付の「ニューヨーク・タイムズ」には、ロシアのプーチン大統領がシリア問題について寄稿。シリアへの武力介入を正当化するために、米国のみを特別とする「例外主義」を批判しました
米国内のメディアでも、国民の間に漂う厭戦(えんせん)ムードを反映してか、「なぜ、米国だけが特別なのか」といった疑義が投げかけられ始めているのも事実です。米国を米国たらしめている「誇り」、あるいは「アイデンティティー」が徐々に失われつつあると見ることができます。
--米国の退潮著しいなか、日本はどうすべきでしょうか
米国の威信低下は、テロや独裁国家の増長を招くことになりかねません。日本にとっては、中国や北朝鮮の脅威が増すことになります。米国の退潮、日本を取り巻く情勢悪化を見越し、私たち幸福実現党がかねて訴えているように、集団的自衛権の行使容認はもとより、自分の国は自分で守るための整備が急務です。