--安倍晋三首相は消費税増税について10月上旬には結論を出す予定です
最近の世論調査では、消費税増税の予定通り実施の支持は約2割にすぎません。国民間に慎重意見も根強いことを重く受け止めるべきです。
アベノミクスにより、確かに日本経済に明るい兆しは見えているものの、雇用の本格的改善や賃金の上昇などはしばらく時間がかかるとみられます。こうしたなか、消費税の増税を行えば、日本経済の復活は遠のくばかりです。
民間シンクタンクの試算では、年収500万円の4人家族(片働き)の場合、社会保険料の引き上げや住民税の年少扶養控除の廃止なども合せると、16年の家計負担は、11年に比べ、実に年間30万円以上も増加すると指摘されています。消費税増税は私たちの暮らしに大きな打撃を与え、景気は冷え込む一方でしょう。安倍政権は97年の消費税増税が今日まで続くデフレの要因となった事実を忘れてはなりません。
--政府は97年以降の景気悪化はアジア通貨危機の影響などとしています
しかし、通貨危機が収束しても、日本だけがデフレであえいでいることを思えば、増税の影響は否定できないはずです。
また、増税による景気悪化は避けられないことから、政府・与党内からは増税のダメージを小さくすべく、補正予算を編成するなどといった考えも出ていますが、本末転倒も甚だしいといえます。
日本経済に必要なのは消費税増税ではありません。日本の未来が見えるような実効ある成長戦略です。今はアベノミクスを受けて株価が好調ですが、経済を持続的に成長させるに足る成長戦略は示されていません。五輪の招致決定で東京に世界が注目するなか、東京の魅力と競争力を高め、海外からの投資呼び込みにもつながるような政策、例えば法人税の大幅減税などの打ち出しが必要です。