5月のメガバンクの決算会見では、金利上昇と国債の保有リスクに質問が集中した。みずほFGの佐藤康博社長は、国債の残存期間について、「今の残存期間は2.5年。1年間で若干伸びたが、3年が一つのターゲットになる」と語ったが、メガ3行とも足元では国債の残存期間を短くして、価格の下落に備えている。
資金需要が伸びない中、金融機関は国債購入に動いてきた。最大の国債ホールダーである三菱UFJフィナンシャル・グループの保有高は約48兆円、みずほで約30兆円に達する。日銀による国債の大量買い入れや市場の乱高下もあり、4月の国債残高はメガ4グループ(りそなを含む)で月中11兆円減少し96兆円となり、100兆円をほぼ2年ぶりに割り込んだ。だが、残高は依然として高水準であることに変わりない。金利が上昇し国債価格が下落するようなことになれば、金融機関は大きな痛手を受ける。日本国債の暴落はあるのか、あるならそれはいつなのか。Xデーに金融機関は逃げ切れるのか、神経戦はすでに始まっている。(ジャーナリスト 森岡英樹)