もっとも、小型家電業は参入障壁が低く、中国では十分な技術力を持たないメーカーが劣悪な製品を販売するケースが後を絶たない。消費者の製品品質に対するクレームは急増しており、政府系の消費者クレーム対応サイト「315消費電子投訴網」に今年上半期に寄せられたクレームは、昨年より4割も多い1685件に達した。
同サイトに投稿されるクレームは「使用開始1カ月で炊飯器のふた開閉ボタンが壊れた」といった製品の基本機能にかかわるものから、「ガスレンジのガラス窓が調理中に突然破裂した」「フットバスが使用中に漏電し感電した」など危険がともなう問題まで多種多様だ。
日本メーカー追い風
今回の同協会による規格制定・強化の動きは、こうした劣悪製品を淘汰し、業界全体としての品質向上を目指すことが目的といえる。
これに対して香港の家電メーカーからは早くも歓迎の声が上がっている。
香港紙、香港経済日報は「家電規格の強化、高品質の香港製品に有利」と題した記事を掲載。「輸出が主力の香港メーカーの品質レベルは高く、新たな規格発表は朗報となる」との電器製造業協会幹部の談話を伝えた。品質で高く評価される日本の家電メーカーにとっても、この動きは追い風になりそうだ。(上海支局)
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