海外情勢

ミャンマー国軍、ASEAN首脳会議ボイコット

 【シンガポール=森浩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は26日、オンライン形式で首脳会議を開いた。クーデターで国軍が実権を掌握したミャンマーは参加をボイコットした。ASEANが国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官ではなく、外務省高官を招待したことに抵抗したもようだ。ASEAN関連会議で加盟国代表の不参加は異例。

 ASEANは民主派との対話を促す特使受け入れを拒む国軍への圧力として、15日の臨時外相会議で総司令官の首脳会議参加を認めないことを決めた。ミャンマー外務省は25日夜、「首脳か閣僚級」が参加できなければ首脳会議を欠席する方針を示唆していた。

 26日の首脳会議ではミャンマー情勢が主要テーマとなり、加盟国は出席を見送ったミャンマーに失望感を示しつつ、早期の特使受け入れなどを訴えた。

 シンガポールのリー・シェンロン首相は「特使に完全に協力するよう(国軍に)強く促す」と強調。タイのプラユット首相もミャンマー情勢について「対応によっては、国際社会からのASEANの信頼に影響を与える」と主張した。

 ASEANは27日に日中韓3カ国との首脳会議のほか、ASEAN各国と日米中などによる東アジアサミット(EAS)を開く。EASには米国からバイデン大統領が参加する予定。トランプ前大統領は任期中、EASに一度も出席せず、東南アジア軽視との批判を浴びた。