グループシナジーで顧客開拓急ぐ SMBCコンシューマーファイナンス CF事業統括部理事兼部長・岡田隆之さん(52)
--新型コロナウイルス感染拡大で消費者金融業界は大きな打撃を受けた
「昨年は緊急事態宣言が発令された5月や6月を底に、資金需要は10月ごろにかけ緩やかに回復し前年同月比で9割程度まで新規申込件数は戻った。ワクチン接種が進めば消費マインドも好転する。来年度中には明るい兆しも見込めると期待している」
--外出自粛を背景に、個人向けローンは手続きがウェブで完結する非対面型の新興勢力の躍進が目立つ
「街に人が戻れば自動契約機などからの申し込みも戻る。ただし、契約機や電話などからウェブへ、チャンネルのシフトは進む。実際、現在の申し込みの8割程度は既にウェブ経由だ。加えて、当社のスマートフォン向けアプリでも非対面での手続きは実は可能だ。とはいえアプリの利便性は使ってもらわないと伝わらない。どう周知していくかが課題と認識している」
--どう取り組んでいくか
「SMBCグループの一員として、シナジーを生かして新たな顧客層にアピールできないか検討を急いでいる。サービスに対する顧客満足度は第三者機関の調査でも高い評価を受けている。こうしたことを追い風に、リアルの安心感をウェブの利便性の中に落とし込んでいくことが重要だ」
--コロナ禍の長期化で違法な“給与ファクタリング”など闇金に手を出す人の増加が懸念される
「ウェブでの借り入れが一般化する中、闇金の被害に遭う例も増えかねない。当社では2011年から主に若者を対象とする家計管理やローンの仕組み、金融詐欺の対策などについて学ぶ金融経済教育セミナーを実施し、累計受講者数は100万人を超えた。これは業界のリーディングカンパニーとしての責務だ」
【プロフィル】岡田隆之
おかだ・たかゆき 近畿大卒。1991年プロミス(現SMBCコンシューマーファイナンス)入社。支店・コールセンターでのお客さま対応や本社部門での企画・推進業務を経て、2020年4月から現職。広島県出身。