新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた飲食業界を支援する「Go To イート」事業で、農林水産省が13日にポイントの付与が近く終わるとの見通しを公表したことを受け、ポイントが付与されるグルメサイト主要4サイトの予約件数が一時急増したことが18日、全国約6500店の飲食店のデータを持つ民間企業の集計で分かった。ポイント付与終了前の駆け込み需要があったとみられる。
試算したテーブルチェック(東京)によると、増加幅が最も大きかったのは「ホットペッパーグルメ」で、1店舗あたりの1日の平均予約件数は公表当日の13日が6.99件だったのに対し、翌14日には12.55件と、1日で2倍近くに増えた。10月1日の「Go To イート」事業開始から予約が延べ5000万人以上に膨らみ、国の予算が上限に達したことから、ポイントが付与されるオンライン予約はすでに「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」など大手サイトで相次いで終了している。
首都圏など各地で高い水準が続き、流行「第3波」の様相が強まる中、現在はまだ客足に影響は出ていないものの、このまま新規感染者数が増加の一途をたどれば、年末の忘年会需要はさらに冷え込む可能性がある。
東京・銀座に近いフランス料理店「ビストロ・ブワ・ド・パン」(中央区新富町)のオーナー、堀田(ほりた)隆輔さん(43)は、「Go To イート」の効果を実感していただけに、「ポイントの付与が終わったらネットの予約は一気になくなった。正直言って早すぎる。せめて団体さんが期待できる忘年会シーズンまで続けてほしかった」と嘆く。
ただ、付与されたポイントは来年3月末まで有効で、購入金額の25%分が上乗せされるプレミアム付き食事券事業も続く。京都市の京料理店「本家たん熊 本店」(下京区和泉屋町)の若主人、栗栖純一さん(37)は「ポイント付与が終わるのは残念だが、キャンペーンが終わったわけではない。これからはポイントを使っていただくという需要が残っている」と前を向き、「今後は貯めたポイントをどの飲食店で使ってもらうかという勝負になる。ポイントを使ってぜひ伝統的な京料理を楽しんでいただきたい」と話した。