韓国、K-POPで文化認知度向上 世界に発信、経済活性化の起爆剤に
世界の「K-POP」ファンが韓国南部の昌原市に集まり、歌やダンスの技量を競う年に1度の祭典が注目を集めている。9年目となる今年は予選を勝ち抜いた13カ国の代表が出場し、会場は熱気に包まれた。韓国政府が主導し、各国にある大使館も活用して運営。ポップソングを通じた韓国文化の認知度向上を狙う。
真っ赤な衣装を着たカンボジアの9人組チームが会場のステージに登場し、韓国の人気アイドルグループの曲に合わせダンスを披露すると、若者中心の客席から大歓声が上がった。
10月に開かれた「K-POPワールドフェスティバル」。80カ国以上の約6400チームが参加した予選を勝ち抜いた各国代表が「本物と見まがうほどの実力」(関係者)を披露した。賞金1000万ウォン(約93万2000円)の大賞に輝いたアイルランドの男性は「K-POPは世界のみんなを一つにできる」と涙ぐんだ。
代表国のうち、ニュージーランドやカンボジアの駐韓大使も招かれた。それぞれラグビー、遺跡というソフトパワーを擁するが、韓流ブームの世界的な勢いは「すごい」と口をそろえた。女性グループ「レッドベルベット」など本物のアイドルも続々登場し、約1万8000人の観客を喜ばせた。
観光資源に乏しい昌原市だが、国内外のファンの間で「K-POPの聖地」として知名度もアップ。許成武・市長がオープニングで「昌原を愛していますか」と声を張り上げ、喝采を浴びた。
海外でブームが広がった背景には、メンバーの国際化を進めた芸能プロダクションの戦略もある。韓国紙によると、タイ人のメンバーがいる女性グループ「ブラックピンク」はインドネシア、タイ、フィリピンの3カ国だけでユーチューブの動画再生回数が10億回を突破。日本人女性がいる「TWICE」はNHK紅白歌合戦に出場している。
文在寅(ムン・ジェイン)政権は経済活性化策の起爆剤として期待し、積極的に海外進出を後押ししている。今月下旬に南部釜山(プサン)で開かれる「韓国・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議」でも特別イベントを予定している。(昌原 共同)
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