中国が技術移転で譲歩 報道、対米協議で

 

 【ワシントン=塩原永久】ロイター通信は27日、関係者の話として、中国が米国との貿易協議で、構造問題などをめぐって踏み込んだ譲歩案を示していると報じた。合意文書の作成作業も「すべての分野で進展した」という。ただ、合意に拘束力を持たせる仕組みで隔たりが残っており、具体的な交渉妥結の時期は見通せないとしている。

 米政府は、知的財産権の侵害などの構造問題を是正するよう中国に要求。中国に進出した米企業が、強制的に技術を中国側に移転させられている問題でも、具体的な対応策を提示するよう求めていた。

 同通信によると、中国はこの強制的な技術移転に関して「これまで見られなかったような」話し合いに応じており、より広範で具体的な改善策を示している。両政府が作成中の合意文書についても、ある関係者は「1カ月前と比べれば、現在の文書はすべての分野で進展した」と語った。ただ、米政府が満足する水準には至っていないという。

 また、中国に合意事項を順守させる仕組みなどで、「依然、障害が残っている」といい、同通信は、最終的な交渉の決着が「5月になるのか、6月なのか誰も分からない」との関係者の見方を伝えている。