ドローン散布4年で50倍に 農水省が方針 人手補う役割期待

 
ドローンを使った農作業(JA広島中央提供)

 農林水産省は18日、農業分野でのドローン普及計画を初めて作成し、2022年度までにドローンによる農薬の散布面積を2万ヘクタール(18年度農水省推計)から約50倍の100万ヘクタールまで広げる方針を定めた。またドローンが散布しやすいように、果樹や野菜に対して使える農薬の数を大幅に増やす目標も決めた。

 ドローンは農薬や肥料の散布や生育の調査などで活躍し、人手不足や高齢化に苦しむ農業分野での活用が期待されている。策定した計画ではドローン向け農薬を現在の646種類から846種類に増やすほか、農水省が地方説明会を年間で20回以上開催することも盛り込んだ。

 農水省はこの日、農業分野でのドローン普及に向けて自治体や農家、メーカーなどでつくる官民協議会を設置。今後、ドローンの最新技術や安全に関する情報を集め、農業現場で活用できるようにする。

 吉川貴盛農水相は農業分野でのドローンの利用が進みつつあるとし、「(今年は)実証から実装の元年にしたい。普及拡大には行政だけでなく農業者や事業者の緊密な連携が欠かせない」と協力を求めた。

 協議会では人工知能(AI)を活用し、異常のある作物の部分にのみドローンで農薬を散布する技術などが紹介された。