EU離脱で9割関税撤廃も 英政府検討、物価上昇防ぐ

 
英議会の前で離脱反対派のデモ隊が掲げる英国やEUの旗=2018年3月(ロイター)

 英スカイニューズ・テレビは5日、英政府が欧州連合(EU)との間で条件面の合意がないまま離脱する場合、全物品の80~90%の輸入関税を撤廃する検討をしていると報じた。合意なき離脱となった場合、EUなどとの間で急激に関税が上がる見通しで、関税をなくして輸入品価格の急上昇を防ぐのが狙いだ。

 一方、自動車や牛肉、乳製品といった残り10~20%の品目は関税を残し、重要産業は保護する。英政府は極端とも言える関税政策で、合意なき離脱による自国経済の損失を抑えたい考えだ。

 スカイによると、政府の案では自動車用部品や加工食品、穀物といった物品で関税が撤廃される方向だ。多くの物品を入りやすくし、英国が引き続き開かれた市場であることをアピールする狙いもあるという。

 来週に予定される議会採決で、メイ英首相の離脱合意案が否決された場合に公表する。(共同)