予算案、衆院通過へ 野党は厚労相不信任案提出で抗戦

 
閣議後、記者団の質問に答える根本匠厚生労働相=1日午前、国会内(春名中撮影)

 平成31年度予算案は1日の衆院予算委員会で採決され、与党の賛成多数で可決される見通しだ。与党は同日中に本会議で可決し、衆院通過を図る。これに対し立憲民主党など野党6党派は厚生労働省の「毎月勤労統計」の不適切調査問題をめぐる審議が「不十分だ」と反発し、根本匠厚労相の不信任決議案を提出した。

 野党6党派は岩屋毅防衛相の不信任決議案と野田聖子予算委員長の解任決議案提出も検討しており、衆院通過は2日未明にずれ込む可能性もある。予算案は2日までに衆院を通過して参院に送付されれば、憲法の衆院優越規定により今年度内の成立は確実となる。

 立憲民主党の辻元清美国対委員長は根本氏への不信任決議案提出について「一連の統計不正をめぐる対応が不誠実だった」と記者団に説明した。根本氏は記者会見で「使命感と責任感を持って全力で職責を全うし、国会でも誠実に対応してきたつもりだ」と述べた。

 与党は昨年と同じ2月28日の予算案の衆院通過を目指したが、21日の衆院予算委に桜田義孝五輪相が遅刻し、審議が中断。この影響で日程に遅れが生じた。

 予算案の一般会計総額は101兆4571億円で、7年続けて過去最大。統計の不適切調査発覚で雇用保険などの追加支給が必要となったため、6億5千万円を増額して1月に閣議決定し直した。