低金利下の経営動向注視 日銀の鈴木審議委員

 

 日銀の鈴木人司審議委員は28日、水戸市で講演し、大規模な金融緩和政策の影響で低金利が長期化する中、収益環境が厳しさを増している金融機関の経営動向を注視していく考えを示した。「きめ細かくモニタリングしていくことが重要だ」と強調した。

 鈴木氏は、金融機関の貸出金利が低水準になっていると説明。地方銀行や信用金庫では、相対的にリスクの高い企業や不動産賃貸業向けの貸し出しが多いと指摘。景気後退局面になった場合「こうした先の経営悪化が信用コストとして顕在化する恐れがある」と警戒感を示した。

 一方、今後の金融政策に関しては「持久力が必要になってくる」と強調。日銀の政策運営の立場を明確にし、政策への信認の確保と維持を図ることが重要だとした。