米国、22兆円の赤字削減を要求 中国反発、通商交渉は平行線
米中両政府は4日、北京で貿易摩擦の問題をめぐる2日目の協議を実施した。米中関係筋によると、米国は中国に対して抱える貿易赤字について、中国に2000億ドル(約21兆8000億円)の削減を要求。中国は反発したもようだ。
米国が中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)に米製品の輸出を禁止したことに関して、中国側が貿易協議で「厳正な申し入れ」をし、抗議したと明らかにした。
米国が3月に対中制裁方針を公表して以来、初めての公式通商交渉は平行線をたどった。今後の対話継続では一致した。
中国の国営通信新華社は、両政府が知的財産権の保護などで協議し、共通認識に達した分野もあったが「一部では大きな意見の隔たりがあった」としており、交渉は難航を極めたとみられる。
協議は米側からムニューシン財務長官、通商代表部(USTR)のライトハイザー代表、ロス商務長官、ナバロ通商製造政策局長らが出席。中国側は劉鶴副首相が代表を務めた。(北京 共同)
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【用語解説】米中通商摩擦
貿易や商取引をめぐる米国と中国の摩擦。米国は2月、中国メーカーが強い競争力を持つ太陽電池製品などを対象に緊急輸入制限(セーフガード)を発動した。3月に入ると、中国の知的財産権侵害を理由に追加関税を柱とする制裁を決定したほか、安全保障上の脅威を理由に鉄鋼とアルミニウムに高関税を課す輸入制限を発動。中国も4月2日、報復として米国産の果物や豚肉に高関税を課す制裁を発動した。これに対し米国は追加関税を検討するなど両国の対立が激しくなっている。(共同)
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