森友文書 麻生財務相、書き換えは理財局一部の指示 進退は「考えていない」

 
大臣室へ入る麻生太郎副総理兼財務相=12日午前、東京都千代田区の財務省(納冨康撮影)

 学校法人「森友学園」の国有地売却をめぐり、財務省が決裁文書の書き換えを認めたことを受け、麻生太郎財務相は12日、同省内で記者団の取材に応じ、「書き換えがあったのは(森友学園への格安の払い下げ問題が発覚した)昨年2月下旬から4月で、理財局で14件の(文書で)書き換えがあった」と述べた。自身の進退については「考えていない」と語った。

 麻生氏は、財務省としての組織的な関与を否定した上で「理財局の一部の職員が書き換えた」とした。理由については、9日に問題の責任を取って国税庁長官を辞任した佐川宣寿(のぶひさ)氏が、理財局長時代に国会で行った森友学園問題に関する答弁について「決裁文書と齟齬(そご)があり、答弁に合わせて書き換えた」と説明した。

 また、安倍晋三首相は12日、財務省の決裁文書書き換えについて「行政全体の信頼を揺るがせ、行政の長として責任を痛感している。国民に深くおわびする」と陳謝した。「二度とこのようなことが起きないよう、組織を立て直すために全力を挙げて取り組む」と強調した。官邸で記者団に語った。

 佐川氏は理財局長時代に国会で森友学園への国有地売却問題を追及され「適切な対応」「記録は廃棄した」などと主張したが、国側と学園との交渉記録などが次々と表面化していた。