マレーシア、EUのパーム油輸入規制に反発

 

 マレーシアは、欧州連合(EU)が計画するパーム油の輸入規制への反発が強まっている。1月半ばには約1700人が首都クアラルンプールのEU大使館の前に集まり、EU域内でのパーム油混入バイオ燃料の使用禁止に反対する意見書を提出した。現地紙マレー・メール電子版などが報じた。

 同紙によると、EUは昨年10月、2021年以降にパーム油を域内のバイオ燃料計画から外すことを決めた。パーム油製造者が国連の定める持続可能な開発目標を達成することが困難なためと説明している。実行されれば、マレーシアの主要産業の一つであるパーム油産業の打撃につながる恐れがある。

 これに対し、抗議集会に参加したマレーシアの連邦土地開発庁の幹部は「EUの規制は、地方部を中心とする320万人の労働者へ貧しい生活に戻れと告げているのに等しい」と述べた。同国に対する差別的な措置で、国連の持続可能な開発目標にある貧困解消を妨げるとの主張だ。

 抗議集会に参加した小規模農家などの代表者たちは、意見書とともに輸入規制に反対する10万3000人分の署名をEUの代表者に届けたという。