トランプ氏訪韓 “調和”のはずが外交非礼? 元慰安婦や「独島エビ」…反日色の晩餐会
【ソウル=桜井紀雄】トランプ米大統領夫妻をもてなす韓国大統領府の晩餐会には、元慰安婦女性が招待された上、竹島(島根県隠岐の島町)の韓国名である「独島」を冠したエビ料理がメニューに登場した。大統領府側は、メニューに込めた「調和」のメッセージを強調したが、米首脳を歓待する場に、日本との“紛争の種”を持ち出したことは、外交非礼に当たりかねない。
大統領府が公開したメニューには、巨済島産の焼きカレイやマツタケ釜飯、韓国産牛肉のカルビなどが並んだ。カレイはトランプ氏の好物とされ、南東端にある巨済島は文氏の出身地だ。
異彩を放つのが「独島エビ」のあえ物だ。韓国紙は「日本が領有権を主張する独島をわれわれが守るという意思を米側にアピールする狙いがある」と分析。大統領府は「食材一つ一つに意味を込め、最初の国賓に対する真心を表現しようとした」と説明している。
晩餐会では、両国が足並みをそろえた行進が続くようにとの願いを込め、「軽騎兵」序曲や、韓流歌手の歌が披露されたという。
韓国メディアには、2泊3日滞在し、安倍晋三首相とゴルフをともにして絆を深めた訪日と1泊だけとなった今回の訪韓を比較し、韓国の外交力不足を嘆く論調が目立つ。これを意識してか、文政権側には、元慰安婦や独島エビを持ち出し、独自色を打ち出したことを国内向けにアピールしようという思惑が垣間見える。
だが、米国の歴代政権は、同盟国である韓国と日本が歴史や領土問題で関係をこじらせることを最も嫌ってきた。今回、内向きのメッセージを国賓の接待の場に持ち込んだ文氏流の“おもてなし”を、トランプ氏がどう受けとめたのかが注目される。
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