財務省、国債入札の特別資格見直し 応札率5%以上に引き上げ
財務省は22日、特別な資格で国債入札に参加できる「国債市場特別参加者(プライマリーディーラー、PD)」に義務付ける応札比率を、従来の4%以上から5%以上に引き上げる方針を明らかにした。同時に安い価格での購入枠も拡大する。PDをめぐっては、日銀のマイナス金利政策を受け三菱東京UFJ銀行が資格を返上。制度を見直し、金融機関に安定して応札してもらうようにする。
財務省が同日開いたPD向けの会合で方針を示した。参加者の多くは賛同したという。7月以降に発行される国債の入札で適用したい考えだ。
PD資格は三井住友銀行やみずほ銀行など21社が持つ。現在は発行予定額の4%以上の応札が義務付けられ、応札は最低で84%。5%以上とすれば、100%以上の応札が得られる。
現在でも応札倍率は2~3倍あるが、新たな制度では万が一にも「札割れ」が起きることがなくなる。
ただ、責任が増えるため金融機関の負担は重くなる。財務省は代わりに、入札での落札価格よりも安い「入札平均価格」で購入できる枠を発行予定額の10%から20%に拡充する。マイナス金利政策下で国債の利回りが下がる中、三菱東京UFJは昨年7月、応札義務が重いなどとしてPD資格を返上した。
日銀は量的緩和策として大量の国債を購入しているが、緩和縮小に転じれば国債の需給が不安定になる恐れがある。今回の制度見直しは買い手の確保につながりそうだ。
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