サムスン、国内電子部品メーカーに影響 消費者離れも スマホ発火事故で

 

 サムスン電子の業績自体は、世界シェア首位の記憶用半導体が牽引(けんいん)し好調だ。連結売上高は韓国国内総生産(GDP)の約2割を占める。

 しかし、昨年8月に発売した新型スマートフォン(スマホ)の「ギャラクシーノート7」でバッテリーが発火する事故があり、「7」は生産・販売の停止に追い込まれた。

 今回の事態は消費者の“サムスン離れ”をさらに引き起こしかねず、世界1位のシェアを誇るスマホやテレビが世界的に売り上げを落とせば、今後の業績は厳しさを増す。

 サムスンは、電子部品などで強い競争力を持つ日本企業との関わりも深い。発火事故を起こした「7」には、TDKや村田製作所などが部品を供給しているとみられる。

 日本企業への影響については、「スマホ市場全体を見れば、考えづらい」との声もあるが、他製品の販売も下振れすれば打撃は深まる。サムスンと取引がある企業は「今後の動向を見極めていきたい」と警戒を強めている。

 また、サムスンの日本の事業は、スマホ販売が主体で、日本でのスマホ販売シェアは約1割。同社日本法人広報は「販売への影響が懸念される」と指摘する。(万福博之)