電子納税、進化求める声相次ぐ 政府税調、利便性向上など議論
政府税制調査会(中里実会長)は14日に総会を開き、情報通信技術(ICT)の進展に対応し、納税手続きの電子化などを進める検討に入った。確定申告などを今よりも簡素にし、納税者の利便性向上や、税務当局の行政手続きにかかる時間や費用などの削減を狙う。実施は早くても2018年度税制改正になる見通しだ。
政府はインターネットを使った国税電子申告・納税システム(e-Tax)などICTに対応した仕組みを取り入れており、納税の申告自体は現在もネット上でできる。
ただ、一部では書類の提出や保存義務などが残るなど、電子納税には課題も多い。同日の政府税調では、委員から「ICTへの対応は遅れており、電子納税をさらに進化させるべきだ」との声が相次いだ。
政府税調では今後、海外でICTに対応した納税事務の事例検証や、納税実務に携わる税理士などのヒアリングを行い、「時間をかけて議論を深めていく」(中里会長)考え。
一方で、政府は情報技術(IT)などを駆使した脱税などが増える見通しであることなどを背景に、国税査察官が電子メールやインターネット上の情報を強制的に押収できるよう国税犯則取締法の改正を検討する。政府税調で今後、脱税調査の見直しについての議論も始め、方向性の取りまとめを行う。政府・与党は17年度税制改正に見直しについて盛り込む方針だ。
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