韓国検察 ロッテ会長を取り調べ 捜査大詰め 逮捕状請求が焦点
ロッテ裏金疑惑【ソウル=藤本欣也】韓国ロッテグループの裏金疑惑などをめぐり、創業者、重光武雄=韓国名・辛格浩(シンギョクホ)=氏(93)の次男でグループ会長の昭夫=同・辛東彬(ドンビン)=氏(61)が20日午前、ソウル中央地検に出頭し、総額約2千億ウォン(約182億円)に及ぶ横領、背任容疑などで取り調べを受けた。
武雄氏や長男の宏之=同・辛東主(ドンジュ)=氏(62)も取り調べを受けており、韓国財閥5位のロッテグループをめぐる捜査は大詰めを迎えた。
昭夫氏はこの日、ソウル市内の同地検前で日韓両国の報道陣に対し、「ご心配を掛けて申し訳ない。検察の捜査に誠実に協力する」と述べた。「容疑を認めるのか」との質問には、「検察に詳しくお話しする」とのみ答えて庁舎内に入った。
韓国での報道によると、昭夫氏には(1)組織的な巨額の裏金作りに関与していた疑い(2)M&A(企業の合併・買収)の過程で生じた損失を系列会社に押しつけた背任容疑(3)日本のロッテグループの系列会社に役員として名を連ね、業務の実体がないにもかかわらず、毎年100億ウォン(約9億1千万円)以上の給与を受け取っていた横領容疑-などが浮上している。
ソウル中央地検は6月10日、ソウル市内のロッテグループの本社や武雄氏の自宅兼執務室、昭夫氏の自宅などを一斉に家宅捜索、本格捜査に着手した。これまでに幹部を含め約300人を取り調べたとされる。
検察関係者は聯合ニュースに対し、昭夫氏の取り調べで「ロッテの捜査は最終段階に入った」との見方を示した。逮捕状を請求するかに関しては、財閥トップの逮捕は韓国経済に影響を及ぼす可能性もあり、「慎重に検討している」という。
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