消費税増税2年半先送り 安倍首相が麻生、谷垣氏へ方針伝達…1日にも発表の意向
安倍晋三首相は28日夜、首相公邸で麻生太郎副総理兼財務相、自民党の谷垣禎一幹事長と会談し、来年4月に予定している消費税率10%への引き上げを平成31年10月まで再び延期する方針を伝えた。今国会会期末の6月1日にも発表したい考えで、近く公明党の山口那津男代表とも会談して再延期の意向を伝え、政府与党内の調整を急ぐ。
首相は28日午後のベトナムのグエン・スアン・フック首相との首脳会談後、麻生、谷垣両氏と会談。首相は消費税率引き上げを来年4月から「2年半延期したい」と伝えた。ただ、麻生、谷垣両氏は財政規律維持の観点から予定通りの再増税を求めて再延期に反対し、引き続き協議することになった。会談には菅義偉官房長官が同席した。
首相は近く、社会保障財源確保のため再延期に否定的な山口代表と会談し、理解を求める。
今月24日に官邸で山口氏と会談した際に首相は、「法律で決めていることをやっていくことには変わりはない。状況が変化しても重大な状況でない限り実行する」と述べていた。
ただ、26日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の世界経済に関する討議で首相は、現在の世界経済が「リーマン・ショック前の状況と似ている」と指摘。
世界経済が直面するリスク回避のため、あらゆる政策をとることで合意した伊勢志摩サミットの議論を踏まえ、首相は政策を総動員して対応する方針を示していた。消費税増税の再延期については、サミット議長としての27日の記者会見で「是非も含めて検討し、参院選前に明らかにしたい」と語っていた。
これに関連、首相は景気対策を盛り込んだ平成28年度第2次補正予算案の編成に向けた検討にも入った。補正の規模は5兆~10兆円程度になるとみられ、近く閣議決定する「骨太の方針」や「ニッポン1億総活躍プラン」から施策を盛り込む。個人消費喚起のため、取得額を上回る買い物ができるプレミアム商品券の発行や全国規模の一斉セールといった景気刺激策が柱となる見通しだ。
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