国立公園に滞在型リゾート 環境省、訪日客誘致で選定へ
環境省は、外国人観光客を誘致する新たな「滞在型リゾート」の目玉として、全国に32ある国立公園の魅力を高めるための有識者会議を設置する。初会合を23日に開催。夏にもモデル事業を実施する5カ所程度を選び、専門ガイドの育成や宿泊施設の機能強化などを進める。
訪日外国人客4000万人を目指す2020年には、このうち1000万人に国立公園を訪れてもらう目標を掲げる。昨年の利用は430万人だった。
政府が3月に策定した新観光戦略は、国立公園の魅力向上を柱の一つに打ち出した。イメージするのは米国のイエローストン国立公園。公園内のホテルに宿泊し、野生動物を間近で観察できるツアーが人気だ。
モデル事業に選ばれた地域では「国立公園ステップアッププログラム2020」(仮称)を16年度内に策定。豊かな自然と伝統行事を組み合わせたツアー開発や、観光案内の多言語化を国が支援する。公園内に大型の商業施設や会議場を設置できるよう、一定の範囲で規制も緩和。成功例をほかの国立公園へ広げる。
モデル事業の対象は、丸川珠代環境相が3月に視察した阿寒(北海道)が有力とされるほか、地震からの復興を目指す阿蘇くじゅう(熊本、大分)を推す声もある。
有識者会議は、東京都市大の涌井史郎教授が座長を務める。ほかに小西美術工芸社のデービッド・アトキンソン社長、星野リゾートの星野佳路社長ら7人が参加する。
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