「爆買い」に歯止め、中国政府が関税引き上げ 日本の小売業に影響懸念
【北京=川越一】中国政府は8日、海外で購入した商品に課す関税を引き上げた。中国人観光客が日本などで大量の買い物をする「爆買い」に歯止めをかけ、低迷する国内消費を促す狙いとみられる。中国人の爆買いの減少による、日本の百貨店など小売業の売り上げに対する影響が懸念される。
国務院(政府)関税税則委員会は3月に、今月8日から輸入品について、新たな税率を採用すると発表していた。中国財政省によると、高級腕時計の関税の税率を30%から60%に、酒や化粧品などの税率も50%から60%に引き上げた。
中国政府は昨年6月、衣料品や紙おむつなど、一部の日用品の関税を平均で約50%引き下げた。輸入品の販売価格を低下させることで国内消費を刺激し、海外での「爆買い」の沈静化を狙ったが、旅行先での購買意欲の抑制には至っていなかった。
中国国内の国際空港では同日から、輸入品の検査が強化された。関税の変更は周知徹底されていなかったもようで、中国の短文投稿サイト「微博」には、空港で「多額の関税を支払わされた」などの声が寄せられている。