【木下隆之の試乗スケッチ】待望の新型スープラをテストドライブ 限界領域で遊べる仕上がり (1/3ページ)

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 待望のトヨタ新型スープラをドライブする機会を得た。開発プロジェクトが始まったのが2012年だというから、開発期間はおよそ6年。じっくりと時間をかけて開発されたのだろうと思うと期待が高まる。

 試乗会の冒頭、開発責任者の多田哲哉氏はこう言って、スープラへの想いを告げた。

「直列6気筒であり、FR駆動であることがスープラのヘリテージです。開発は基本に忠実に作りこみました。数値ではなく感性性能を高めることに注力しました」

 力強くそう語ったのだ。かつてはトヨタ86の陣頭指揮を担ったのが多田氏である。スポーツカーに関しては特に造詣が深い。

 BMWと共同開発

 そんなスープラでもっとも期待を煽るのは、BMWとの共同開発であることだ。関係の濃淡はアナウンスされていないが、巷の噂や開発陣からの声を聞く限り、かなり密接に開発が進められたことに疑いはない。

 クルマの骨格であるプラットフォームと、心臓部であるエンジンとミッションはBMW開発だという。ということはZF製であろう。ミッションがZF製ならば電子制御デファレンシャルもZF製に違いない。走りに関する部分はBMWの影響力が強いと想像できる。おなじパーツを共有するのはBMW・Z4だ。

 搭載する直列6気筒は、トヨタでは最新のユニットがないからつまり、BMWの伝家の宝刀、シルキー6が採用されているはずだ。そもそも振動に有利な完全バランスの直列6気筒であるうえに、絹のように滑らかなことで命名されたのだから、これ以上の魅力的なパワーユニットは見当たらないだろう。

 前後重量配分にBMWの拘り

 前後重量配分は50対50だという。これもBMWが特に拘っているところである。FR駆動にとって理想的な前後重量配分がどの点にあるのかは議論白熱するところだが、BMWが頑固一徹に死守する前後均等バランスは、特に旋回性能にメリットを見いだせる。

コーナーに飛び込んだ瞬間に旋回挙動が始まる