イギリスの超高級自動車メーカー、ロールス・ロイスの注目車種を3回にわたって紹介するフォト企画の第1弾は、リヤエンドに向かって流麗なラインを描くファストバックデザインが特徴の2ドアクーペ「Wraith(レイス)」だ。2.4トンの大柄なボディに6.6リッターV12ターボエンジンを搭載。0-100キロ加速は驚愕の4.6秒を誇るという、ラインアップの中でもっともパワフルなモデルである。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz)
レイスの意味
ロールス・ロイスにはファントムやゴーストなど「幽霊」を意味する車名が多い。レイスも例外ではなく、スコットランド語で「生霊」「亡霊」などの意味を持つそうだ。
外観はダイナミックかつエレガント。垂直に立てた大型グリルと、ボンネットの先端で両腕を広げるロールス・ロイスのマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」が圧倒的な存在感を演出し、ルーフトップからリヤにかけてなだらかに落ちるボディラインが優美なシルエットを描く。
理に適ったコーチドア
ドアの前方から開くコーチドア(観音開き)はスムーズな乗降を可能にする。人はクルマに乗るときにまずヒップをシートに預け、その着座位置を軸に回転して両足を体の前に収めるのが自然な流れだ。同様に、降りるときもヒップポイントを中心に回転する。ヒンジが後ろにあるコーチドアなら、降車時に車外へ投げ出した足がドアにぶつかることもない。人間工学的に理に適っているだけでなく、VIPがクルマから降りる際にエレガントに見えるといった演出上のメリットもある。