【動画あり】レクサスの高級スポーツボートを試乗してわかったマリン事業進出の狙い (1/3ページ)

  • 三河湾を駆ける「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」。流麗なフォルムが美しい
  • 操縦席の右手にスロットルレバー、左手には安全な離着岸を可能にするジョイスティック
  • 「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」の操縦席と、ラグナマリーナの景色。周囲は高級マンションが立ち並ぶ
  • ガラス張りの床下からのぞく2基のエンジン。実はレクサスの高性能車「RCF」や「LC」と同じ5リッターV8エンジンを船舶用にチューニングして搭載している
  • 操縦席にタッチ式の24インチディスプレイを採用した、統合インストルメントパネル
  • 品のあるキャビン。天窓やU字型ソファ、ブラックガラスのフローリングが特徴だ
  • 天窓の「L」のロゴは、光が入ることでフローリングにも映し出される
  • 木材をふんだんに使用したWC兼シャワールーム。シャワーは高級ホテルに多いオーバーヘッドタイプだ
  • 船内のシンク
  • 「和」を意識したインテリア(撮影・大竹信生)
  • ミラーの中にライトが…(撮影・大竹信生)
  • オープンデッキのシートは前向きにも横向きにも座れるユニークな“ギザギザ”の形状を採用している(撮影・大竹信生)
  • 最高速度は43ノット(約80キロ)に達する
  • ラグナマリーナとレクサスボート。写真のようにハッチから顔を出すこともできる
  • 「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」の操縦席。その右にはキャビンにつながる階段がある
  • 三河湾を疾走する「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」
  • 波を切り裂く「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」
  • 三河湾を駆ける「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」
  • 船首に踊る「LEXUS」の文字
  • ヨットハーバーで給油中の「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」(撮影・大竹信生)
  • 「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」の操縦席(撮影・大竹信生)
  • 船首に輝く「LEXUS」の文字(撮影・大竹信生)
  • 「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」の操縦席
  • ハーバーに戻り給油する「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」
  • 高みの見物…防波堤に一列に並ぶカモメの群れ(撮影・大竹信生)
  • 市販に向けてレクサスが開発を進める60フィートクラスのボート(イメージ画像)


 あのレクサスが陸から海へ-。今年1月に米国フロリダ州マイアミで行われたイベントで、一艇の美しいボートがベールを脱いだ。名前は「レクサス・スポーツヨット・コンセプト」。トヨタ自動車がレクサス車両の開発とマリン事業で培ったモビリティ技術の粋を詰め込んだ試作艇だ。あれから数カ月が経ち、今回ようやく愛知県の三河湾で試乗する機会を得た。そこで筆者が見たのは、水陸の垣根を越えた“新しいカタチ”のライフスタイルだった。(SankeiBiz 大竹信生)

 際立つ斬新デザイン

 純白のクルーザーが所狭しと並ぶヨットハーバーの片隅でブロンズ色に輝くボートが目に留まった。未来を予感させる流麗なデザインに身を包み、鋭い存在感を放っている。

 ここは愛知県蒲郡市にある「ラグナマリーナ」。昼前に東京を出発したときは曇り空だったが、こちらは幸運にもマリンスポーツにおあつらえ向きな上天気だ。

 レクサス・スポーツヨット・コンセプトは、高級車ブランドのレクサスが初めて手掛けた最大8人乗りのプレジャーボート。全長42フィート(12.7メートル)で、最高速度は43ノット(約80キロ/h)を誇る。船体構造にカーボンを採用して高剛性と軽量化を図っており、レクサスのデザインチームによる優美で躍動感のあるフォルムや高級なインテリアが特徴だ。

 高性能スポーツカーのエンジンをチューニング

 ボート後方部から乗船すると、ガラス張りの床下に2基の大きなエンジンが見えた。何とも贅沢な話なのだが、この船はレクサスの高性能スポーツカー「RC F」や高級クーペ「LC500」にも搭載される5リッターV8エンジンを使用しているのだ。

 真っ白なシートに腰を下ろすと、エンジンが「ボボボボ…」と小さな音を立てながら防波堤の外に向かってゆっくりと動き出した。ハーバーに係留するヨット群が小さくなっていく。やがて大海原に解き放たれたボートはスロットルを全開し、波を切り裂くように鋭く加速した。「RC F」と「LC500」は過去に「試乗インプレ」のコーナーでも取り上げたが、船舶用に専用チューニングされたエンジン音はより甲高く、リズミカルな抑揚が軽快な印象を与える。

海風を感じられるスピード感と圧倒的な開放感