経営再建中のシャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の再建案を軸に交渉を進めることが4日、明らかになった。これまで官民ファンドの産業革新機構と交渉してきたが、鴻海の提案は出資額で機構を大幅に上回ったほか、事業売却や人員削減を否定したことを評価。シャープは今後1カ月程度かけて、どちらを選ぶか最終判断する方針だが、国内家電大手の一角が外資の傘下に入る方向が強まった。
シャープの高橋興三(こうぞう)社長(61)は4日、東京都内で開いた記者会見で、「産業革新機構と鴻海精密工業に絞って交渉している」とし、「現時点では(提案を精査する人員などの)リソースを鴻海により多くかけている」と述べた。鴻海を「強い部品調達能力や生産能力を持っており、大きな相乗効果がある」と評価した。
鴻海は、シャープ本体への出資や事業拡充に必要な成長資金として6000億円超を拠出することを提示していた。