中東歴訪中の中国の習近平国家主席は23日、イランの首都テヘランでロウハニ大統領と会談し、中国がイラン国内で高速鉄道を整備することで合意した。会談後の共同記者会見で習氏が明らかにした。核問題に伴う欧米の対イラン制裁が解除されたことを受け、両国は投資や産業、環境などの分野での協力について17の合意文書を交わした。
ロウハニ師は会見で、両国の貿易規模を大幅に拡大することで合意したと述べた。高速鉄道整備は、中国が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の枠組みの一部として、テヘランと第2の都市、東部マシャド間の約900キロで計画され、「中国が必要な資金調達を行う」(習氏)という。
制裁解除後のイランに外国の国家元首が訪問するのは初めて。昨年7月の核合意後、11月にはロシアのプーチン大統領が訪れて計50億ドル(約6000億円)の支援を表明しており、いずれも米国と距離を置くイランと中露の接近が鮮明となった。