直情径行で品性を欠く姿は、キレて暴走する不良少年のようだが、落ち着き払って壮大なウソをつく、老獪な長者気取りの方が格段に警戒が必要だ。例えば、2015年12月開催の《世界インターネット大会》での演説。
「サイバー攻撃やネットを悪用したテロ活動は全世界の害悪に成っている/各国とネット犯罪を取り締まる司法協力メカニズムを整え、ネット空間の平和と安全を守る」
声の主はまさしく「被害者」に違いない。サイバー攻撃対策で「世界の守護神」を宣言してもいる。2016年に伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)、20年に東京五輪パラリンピックを控えるわが国としては大歓迎すべき、実に頼もしい発言だ。が、声の主は「加害者」にして「世界の疫病神」。
そう、中国の習近平・国家主席(62)である。米連邦職員&元職員2150万人の個人情報と数千億円分の米企業秘密をハッキングした、史上最大の巨大窃盗事件の主犯が「どの口」で? もはや「この口」が発する言葉は真偽の判定が不可能だ。