2015.12.4 10:00
1日2時間の教育センターは「たったそれだけ」なのかもしれない。小さな光かもしれないが、それがあるのとないのでは、大きく違うだろう。なぜなら、センターにいるときのモスミはとても安心した顔で笑っていた。制服を着て、誇らしげに覚えたての歌を歌ってくれた。それはゴミ山で見た厳しい表情のモスミとは、まるで違った。
「“何もかも”はできなくとも、“何か”はきっとできる」ワールド・ビジョンの創設者であるボブ・ピアスの言葉だ。その何かは小さなことかもしれない。でも、小さくても確かな光を子供たちに届ける力が私たちにはあるはずなのだ。その光は、子供たちの未来を作り、やがては世界を変える力になる。
そう信じて今日も、自分の置かれた場所で精いっぱいの仕事をする。それが、この子のためにできる最大の「今、私にできること」だからだ。(文:ワールド・ビジョン・ジャパン 山下泉美(いづみ)/撮影:ワールド・ビジョン・ジャパン/SANKEI EXPRESS)