2011年の民政移管後初めて行われたミャンマー総選挙で、野党、国民民主連盟(NLD)党首のアウン・サン・スー・チー氏(70)は10日、英BBC放送のインタビューに対し、上下両院の改選議席の75%程度を確保できるとの見通しを初めて示した。67%以上なら単独過半数確保となる。半世紀にわたり軍主導の政治が続くミャンマーで長年、民主化を訴えてきたNLD主導の政権への交代が視野に入った。
上下両院は定数664で民選枠は498議席。NLDは10日、各地の開票所で各陣営の代表に示された開票結果に基づき、これまでに両院340議席中300議席を確保したとする独自集計を発表した。
選挙管理委員会の公式発表でもNLDは下院88議席中78議席を獲得して圧勝の情勢。テイン・セイン大統領やミン・アウン・フライン国軍総司令官は既に選挙結果を受け入れる考えを表明している。
憲法は上下両院定数の4分の1を軍人枠とし、国軍総司令官に国防相や内相の任命など強大な権限を付与。軍と敵対すれば政権運営が立ちゆかなくなる恐れがあり、NLDは現与党の連邦団結発展党(USDP)や軍との協力を模索する可能性がある。