【アートクルーズ】
「なんでもやれる。気持ちがまだまだあるよ」。そう言っていたずらっ子のような笑顔を見せると、緑の色紙をアッという間に力強く引きちぎった。
93歳となった現在も精力的に作品を生み出すはり絵画家、内田正泰(まさやす)さん。このほど内田さんの作品を集めた常設展示施設「内田正泰記念アートギャラリー」が、神奈川県鎌倉市にオープンした。江ノ島電鉄長谷駅から歩いて1分の閑静な住宅街にある。
横浜市旭区の自宅兼アトリエには、これまで制作した約700点のはり絵作品を所蔵するが、以前から常設展示するギャラリーを開設したいと考えていたという。
箱根や鎌倉など神奈川県内でふさわしい場所を探していたところ、知り合いの建築家から鎌倉市長谷に、シェアハウスを併設する形でギャラリーを建てないかと持ちかけられた。「海に近くて、緑が豊かで、山と川が近くにある」(内田さん)。こうした条件が決め手となって現在地に開設することになった。2棟からなる施設全体は「鎌倉こころのギャラリー館」と名付けられ、暮らしと文化・芸術を融合した「心の通う暮らしづくり」を目指す。