米ニューヨークの国連本部で6月9日から11日まで、「障害者権利条約第8回締約国会議」が開かれ、日本財団は、「障害者の国際的な意思決定プロセスへの参加拡大」をテーマとしたサイドイベントを開催した。WHO(世界保健機関)の2011年「障害に関する世界報告」によると、世界人口の15%に当たる10億人以上が何らかの障害を抱えて生活しているというなか、障害者が国際的な意思決定プロセスに十分に参加できていないという現状に疑問を投げかけた。
障害者をめぐる問題への理解や関心は国際的に広がりつつある。06年に国連総会で採択された障害者権利条約はその象徴だ。この条約は「障害者の人権及び基本的自由の享有、障害者固有の尊厳を尊重すること」を目的とし、「障害者の完全かつ効果的な社会参加」などを一般原則として定めている。日本を含め155カ国が批准(15年6月現在)。08年から毎年、締約国会議が開かれ、教育や安全保障などさまざまな切り口から障害者の権利に関する議論が重ねられている。