米人気俳優、ジョニー・デップさん(51)と妻で女優のアンバー・ハードさん(29)が映画の撮影で滞在中のオーストラリアに同伴させた愛犬2匹が、当地の動物検疫を受けずに“違法入国”したとして安楽死の危機に直面し、ファンたちが「2人の愛犬を救え」とネット上で大規模な請願活動を展開する騒ぎがあった。結局2人は安楽死を避けるため15日夜、愛犬とともに急遽(きゅうきょ)、米ロサンゼルスに帰国することになった。動物検疫をめぐる畜産大国オーストラリアならではの厳格な対応は、普段は表面に出てこない主権国家の強面(こわもて)な顔を多くの人に思い起こさせている。
自家用機使い入国
5月14日付米紙ニューヨーク・タイムズや15日付オーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルド(いずれも電子版)などによると、デップ夫妻は2003年から始まった人気海賊映画でデップさんが主人公の「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの5作目の撮影で4月21日、プライベートジェット機でブリスベンの空港に到着した。だが、入国の際、愛犬のヨークシャー・テリア、「ピストル」と「ブー」の2匹を税関に申告せず、動物検疫も受けさせなかった。