煮込みビーフ、挽肉のスパイシーミート、エビとアボカドと3種類あるタコス(各500円~)も、ソフトな食感のトルティーヤ(皮)を使った本場の味だ=2015年3月23日、京都市中京区(志儀駒貴撮影)【拡大】
現地で「衝撃的な味」
「派手さはないですが、かみしめるようなおいしさやサルサの多彩な使い方、そして味の奥深さといったメキシコ料理の魅力に驚いた」池尻さんは、現地のメルカド(市場)に入り浸り、さまざまな現地の食材に接するたび、メキシコ料理の魅力に取りつかれていった。
「町の食堂でおばちゃんが作っている“お母さんの味”的な料理が本当においしい。市場近くの山間部の集落に住む人々が、毎朝、山から下りてきて、市場の前で焼きたてのトルティーヤを売るんですが、それが衝撃的なおいしさで…。レシピも各家庭で違っており、先住民族の村で教わった料理もありますよ」(池尻さん)
そんな貴重な体験や知識を積み重ね、4年前に帰国した池尻さんが、満を持して開業したのがこのお店とあって、どのメニューもまさに本場の味。アボカドに塩とライムに少しサルサを加えた「ワカモーレ」をコーンのチップスでいただくだけで図抜けた実力が分かる。