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シンプルにじっくり味わうすっぽん鍋 大市 (1/4ページ)

2015.2.22 15:30

ぐつぐつと煮えたぎるすっぽん鍋。コクのあるスープも飲み干したくなる=2015年2月6日、京都市上京区(志儀駒貴撮影)

ぐつぐつと煮えたぎるすっぽん鍋。コクのあるスープも飲み干したくなる=2015年2月6日、京都市上京区(志儀駒貴撮影)【拡大】

  • 餅の入ったすっぽん雑炊。香の物の千枚漬けと相性がいい=2015年2月6日、京都市上京区(志儀駒貴撮影)
  • 針ショウガが載った「すっぽん肉のしぐれ煮」。しょうゆの香りが食欲をそそる=2015年2月6日、京都市上京区(志儀駒貴撮影)
  • いけすには常時50匹がスタンバイ。冬眠中は脂がのるそうだ=2015年2月6日、京都市上京区(志儀駒貴撮影)
  • 苦み走ったすっぽんの生き血。通好みの一品だ=2015年2月6日、京都市上京区(志儀駒貴撮影)
  • デザートの「せとか」。甘みが凝縮されている=2015年2月6日、京都市上京区(志儀駒貴撮影)
  • 「お客さんも何代にもわたってファンになってもらえたら」と話す青山佳生さん=2015年2月6日、京都市上京区(志儀駒貴撮影)
  • 大・小客室は家族やグループによって使い分けができる=2015年2月6日、京都市上京区(志儀駒貴撮影)
  • 風情ある木造家屋は330年の歴史を刻む=2015年2月6日、京都市上京区(志儀駒貴撮影)

 【京都うまいものめぐり】

 「すっぽん」と言えば滋養と強壮に効くイメージが浮かぶが、江戸時代から330年続くすっぽん料理の名店が大市(だいいち)。しょうゆと日本酒とショウガで味付けするだけの至ってシンプルな調理法だが、ぐつぐつ煮えたぎるすっぽん鍋とコクのある雑炊を味わうと元気が漲(みなぎ)ってきそうな気がする。大市は志賀直哉や川端康成の小説にも登場するが、この店を訪れる文豪らにもエネルギッシュなパワーを吹き込んだのかもしれない。

 ぷるぷる歯応え

 大市は元武士の近江屋定八が元禄年間(1688~1704年)に創業。以来、当時の店舗が代々受け継がれ現在は第18代の青山佳生さんが経営を取り仕切る。

 献立はコース料理のみ。最初に提供される先付は「すっぽん肉のしぐれ煮」だ。日本酒としょうゆで煮たすっぽん肉の上に針ショウガが載せられ、しょうゆの香りが食欲をそそる。肉は箸でつまむとぷるぷると揺れ動く軟らかい部位や、歯応えのある部位などが混在し、食感のバリエーションが楽しめる。「軟らかい肉は腹、硬めの肉は背の部分」(青山さん)で、ショウガが絶妙な風味を添える。

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