【まぜこぜエクスプレス】Vol.38
ふだんなかなか目にすることが少ないマイノリティーに関する情報を届けてきた「まぜこぜエクスプレス」。2回にわたってこれまでのことを振り返り、新しい年にやるべきことを考えてみる。1回目は、取材で浮かび上がってきたキーワード「生きづらさ」について。
自分らしく生きられない
果たして今の時代、「生きづらい」と感じていない人などいるのだろうか?
私が「生きづらい」と感じ始めたのは10代半ばだったように思う。円満な家庭のどこにでもいる高校生。「フツウ」なのだから恵まれているのだろう、満足して感謝しながら生きていかなくてはと漠然と考えていた。と同時に、私はワタシを生きていないとも感じていた。16歳から18歳までの記憶がスッポリ抜けていることが、「解離」によるものと知り、自分をごまかすことに限界を感じた30代にカウンセリングを受けた。生き直しを始める第一歩は、生きづらさを表現することだった。その頃から他者の生きづらさへの探求心がムクムクとし始め、仲間だらけだとわかった。