米ソニー・ピクチャーズエンタティンメント(SPE、本社・ロサンゼルス)が、いったんは公開中止すると発表した北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺を題材にしたコメディー映画「ザ・インタビュー」について、当初予定通り25日に公開した。公開中止はSPEを攻撃したハッカーからのテロ予告を受けてとった措置だが、オバマ米大統領の批判を受け方針を転換した。
高度能力と実戦経験
本件は米国のプライドを傷つける大きな政治問題になった。19日にFBI(米連邦捜査局)が、SPEへのサイバー攻撃に北朝鮮が関与していると発表した。
<FBIは声明を出し、「北朝鮮政府が関与していると結論づける十分な情報がある」とした。
その根拠として、サイバー攻撃に使われた(1)マルウエア(悪意あるプログラム)は、北朝鮮関係者が以前に開発したものと関連性がある(2)多くのIPアドレス(ネット上の住所)が北朝鮮のもの(3)北朝鮮が昨年3月、韓国の銀行とメディアに仕掛けた攻撃と類似性がある-ことなどを列挙した。
ホワイトハウスでオバマ大統領は「場所と時期、方法を選んで相応の対応をとる」と強調した。ただ、具体的な内容には踏み込まなかった。議会では制裁強化を求める声が強まっている>(12月20日の産経ニュース)